パリ条約とは、正確に言うと非常に長い名称なので省略しますが、簡単に言いますと、工業所有権(知的財産権の昔の呼び方)の保護に関する1883年3月20日のパリ条約のことです。この条約は、今でも生きていて、外国出願をする際の保護内容を各国間で約束した、制度や手続の根幹となる重要な条約です。
パリ条約に基づいて受けられる最も重要な利益は、自国に特許出願した日から1年以内に、優先権を主張して外国に特許出願をした場合は、自国に特許出願した日とその外国に特許出願をした日との間にその外国に他の人が特許出願をしても、その特許出願の後願とされるなどの不利益を受けることはないというような、非常に重要な利益を受けることができることです。パリ条約はお互いの国同士でこのような優先権を認め合って、特許出願をする人を保護し合っているのです。
パリ条約で認められるのは、上記優先権に限りません。例えば、仮に自国に特許出願した日から1年を経過してから外国に出願をしても、上記優先権は認められませんが、その他の、外国人を内国人と差別しないような、外国出願人保護の各種の規定が適用されるようになっています。
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PCTとは、Patent Cooperation Treatyの略称で、1970年6月にワシントン外交会議において採択された条約です。外国出願の容易化、同一発明を複数国へ出願する際の各種の負担軽減を図ることを目的として採択されたものです。このPCTは上記パリ条約の趣旨が基盤となっているので、パリ条約における優先権も当然認められるような仕組みになっております。
PCTに基づいて受けられる最も重要な利益は、自国に特許出願した日から、原則として30カ月以内に外国に出願すれば、上記パリ条約における優先権と同様の利益を受けることができることです。すなわち、自国に特許出願した日から1年以内にパリ条約における優先権を主張して、PCTに基づく特許出願をすることができ、このことによりPCTにおいて指定した外国に30カ月以内に出願をすれば、パリ条約における優先権と同様の利益を受けることができることです。